タックス・ニュース 第260号 2018年08月号

タックス・ニュース 第260号 2018年08月号

最新法令一覧表

トピックス

租税回避分析のための歳入局新法令案  National e-Payment Master Plan

現在、歳入局は、税制に関する電子書類の作成並びに源泉徴収に係るシステムの追加、さらに電子納税手段 の追加に対応するよう歳入法典の条項の改正を目的として、国家決済システム基礎計画開発戦略 (National e-Payment Master Plan)に基づき、税制及び電子取引書類に対応するために、“仏暦………年歳入法典改正法案”を立法中であり、当該法令の要点は以下の通りである。

1.    電子取引に関する法律に規定する電子的手段による税務申告に関する基準、手続及び条件の規定。

2. 銀行振込又はその他類似する方法によって金融機関事業に関する法律に基づく銀行又は省令に定める 者に対して課税所得を支払う源泉徴収義務者は、当該課税所得の支払いとともに、銀行又はその他省令に定 める者を経由して税金を源泉徴収して納付することが可能とし、銀行又は前述のその他の者を経由して源泉 徴収して納付した個人、合名会社又は会社に対し、源泉徴収個人所得税申告書の提出を免除する権限を、歳 入局長に付与する。

3. 銀行及び前述のその他の者は、金銭を受領して歳入局へ納付する義務を負うものとし、当該銀又はそ の他の者は、受領した税額又は歳入局に対し納付すべき税額を不足した分につき、責に任ずるものとし、さ らに、受領した税額又は不足した税額に対して、月又は月の端数あたり1.5%の延滞税を支払わなければ らない。

4. 税額表、借方表、貸方表または領収書を、電子取引に関する法律に規定する電子データとして作成す ることができるよう、制定する。

5. 歳入局長は、第105条の2に定める文章と異なる文章を記載することができるよう定める権限を有 する。又、会計帳簿、書類、証拠又は納税に関する情報の提出の要求について、当該情報が電子データ又は コンピューター上の交通データとして保存されている場合、歳入局長は、当該データを調査及びアクセスす る権限を有する。

国際的要請に基づく情報交換及び国際間における情 報の自動交換に関する歳入法典改正案に関しての公聴会の開催について。

仏暦2561(2018)年7月25日から8月9日にかけて、歳入局は、国際情報交換に関する条 項を追加するための歳入法典の改正について国民から意見を求めた。当該改正は、税の透明性および税 務目的の情報交換に関するグローバルフォーラムメンバーであるタイ国は、脱税や税金回避を防止する OECDへの協力することを反映させるためであり、さらに、タイ国は、他国と同様に、国際的標準に 基づき税務的情報の交換が行われているため、これにより、徴税管理の能率化や透明化を図ることがで きる。

歳入法典改正法案では、以下の条項が追加される。

1.  第3条の15の追加。局長に対し、担当職員又はタイ国政府が外国政府又は国際機関と締結された条約又は貿易及び経済事務局が外国の組織と締結された協定による要求に基づ き、個人に税務上の情報及びその他の情報の収集並びに提出を命ずる権限を付与する。

2.  第3条の16の追加。局長に対し、タイ国政府が外国政府又は国際機関と締結した条約若しくは貿易及び経済事務局が外国の組織と締結した条約に基づき取得した情報を開示又は 交換する権限を付与する。

3.  第3条の17の追加。国際的情報によって情報を認知している者は、如何なる者に対し開示又は如何なる手段を講じて当該情報を開示してはならない。但し、タイ国政府が外国政 府又は国際機関と締結した条約若しくは貿易及び経済事務局が外国の組織と締結した条約若しくは法に 定める権限に基づく開示の場合は、この限りではない。

4.  第35条の3の追加。報告担当者が、職員による第3条の15に規定する情報収集及び提出命令に従わない場合において、職員に対し、100,000万バーツ以下の行政上の処 罰並びに命令に従わない期間に渡り又は是正するまで1日につき10,000バーツ罰金を命ずる権限 を与えるよう、罰則を定める。

5.  第35条の4の追加。担当者が、第3条の15に規定する情報収集及び提出に関して、故意に虚偽の情報を提供した場合において、3年以上7年以下の懲役又は2,000バーツ 以上200,000万バーツ以下の罰金、若しくはこれらを併科するよう、罰則を定める。

6. 第35条の5の追加。第3条の15の定めるところにより、報告が求められる情報又は外国から 取得した情報を知っているものが、当該情報を他者に対し開示又は交換した場合、1年以下の懲役又は 100,000万バーツ以内の罰金、若しくはこれらを併科するよう、罰則を定める。

400日分の解雇補償金について定める労働者保護 法改正法案

仏暦2560(2017)年8月15日において、内閣は、仏暦…..年労働者保護法改正法案 (第…号)について承認した。本法案は、検討のために法制委員会事務局へ提出され、さらに仏暦 2561(2018)年8月28日において国家立法議会の第1議題で審議が行われた。本法案の要点 は、以下の通りである。

1. 第9条の改正。被雇用者が15%の率で利息を得る権利を与えるために、特別解雇保証金及び事 業停止による保証金に対する利息を15%とする。

2. 第13条の改正。雇用者の変更については、被雇用者による合意を得た上、新たな雇用者は、権 利及び義務を引き継ぐものとする。

3. 第17/1条の改正。雇用者は、被雇用者解雇の際、事前通告を要さずに、事前通告に代わる特 別解雇保証金を支払わなければならない。

4. 第34条の改正。被雇用者は、必要な用事のために、1年につき3日以上休暇を取得する権利を 有するものとする。さらに第57/1条を追加し、雇用者は、被雇用者が必要な用事のために休暇を取 得した日のうち、1年につき3日以上の賃金を支払うよう規定する。

5. 第41条及び第59条の改正。妊娠中の女性労働者は、妊娠期間中に、妊娠検診のために、出産 休暇と合わせて90日以上の休暇を取得する権利を有する。又、雇用者は妊娠中の女性労働者に対し、 妊娠検診のための休暇及び出産休暇を取得した期間に渡り、45日分以内の範囲で、勤務日の賃金に相 当する額を支払わなければならない。

6. 第53条の改正。雇用者は、男性労働者及び女性労働者に対し、賃金、残業手当、休日出勤手当 並びに休日残業手当を平等に定めるものとする。さらに第70条の改正では、賃金、残業手当、休日出 勤手当並びに休日残業手当の支払時期について定められる。

7. 第75条の改正。雇用者が一時的に事業の一部又は全体を停止する場合における補償金の支払い について。

8. 第118条(5)の改正。雇用者が、勤続期間10年以上20年未満の被雇用者を解雇する場 合、最終賃金の300日分の解雇補償金を支払うものとし、さらに第118条(6)では、勤続期間 20年以上の被雇用者には、最終賃金の400日分の解雇補償金を得る権利が与えられるよう定められ る。

9. 第93条(5)及び第120条の改正では、事業場の移転、事前通告に変わる特別解雇補償金、 又は特別補償金の支払いについて定められる。

10.    第120/1条の改正では、労働福祉委員会の命令発布に関して定められる。

11.    第120/2条及び第125/1条の改正。雇用者が、所定の期間内に労働監督官の命令に従った場合には、雇用者に対する刑事告訴は取り下げられる。

12.    第144条、第145条、第146条、第151条並びに第155/1条などの関連条項を改正し、雇用及び勤務形態報告書の提出を怠る雇用者に対する労働監督官の警告書発行 における処理手順を廃止する。

重要法令・ルーリング全訳・解説

最高裁判所判決要旨第5564/2559号

    歳入局が、“関税実行規則”を付加価値税事件に引用する場合。 

仏暦2561(2018)年特定事業税免税に関し て規定する歳入法典に基づく勅令(第660号)仏暦2561(2018)年特定事業税免税に関して 規定する歳入法典に基づく勅令(第660号)

土地銀行管理機構(公的機関)の事業に対する特定事業税免税について。

仏暦2561(2018)年減税及び免税に関して 規定する歳入法典に基づく勅令(第661号)

先物契約に基づく金の延べ棒の販売により得た所得に対する個人所得税の減免税。

仏暦2561(2018)年付加価値税免税に関し て規定する歳入法典に基づく勅令(第662号)

先物取引契約に基づく金の延べ棒の販売を対象とした付加価値税の免税について。

歳入局長通達

    セミナー開催及び旅行及び宿泊地を対象とした観光区域の、第2級観光県からの更なる追加について。セミナー開催及び旅行及び宿泊地を対象とした観光区域の、第2級観光県か らの更なる追加について。

歳入局長通達(第7号)

    仏暦2561(2018)年免税に関して規定する歳入法典に基づく勅令(第654号)に定める教育機関に対する寄付を対象とした所得税、付加価値税、特定事業税並びに印紙 税の免税に関する基準、手続及び条件について。仏暦2561(2018)年免税に関して規定する歳 入法典に基づく勅令(第654号)に定める教育機関に対する寄付を対象とした所得税、付加価値税、 特定事業税並びに印紙税の免税に関する基準、手続及び条件について。

仏暦2561(2018)年会社登記に関する中央 株式登記事務局規則(第17号)

歳入局ルーリング第ゴー・コー0702/ポー 3540号

免税区内に設立される事業者に対して国内でなされた役務提供の場合の、付加価値税の取扱い。

仏暦2561(2018)年付外国人事業管理部 ルーリング第1号

外国人が、装飾品の輸出事業を営んでおり、顧客の希望に応じて無償で装飾品に捺染加工することを 希望する場合。

仏暦2561(2018)年付外国人事業管理部 ルーリング第3号

外国で登記された外国人が、タイ国内に地域統括事務所としての事業活動を希望する場合。




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