タックス・ニュース 第224号 2015年8月号

タックス・ニュース 第224号 2015年8月号

トピックス

歳入法典改正-移転価格税制の導入

  • 以前よりお伝えしております移転価格税制の歳入法典への導入についてですが、歳入局よりドラフトが公表されました。以下がその内容です。
  • 『歳入局通達第ポー113/2525号は通達であって法律に基づくものでなく、そのため現行歳入法典の規定では、納税者は合理的事由があることを主張して税務調査官の査定権限を免除することが認められていた。そこで、歳入局は、税務調査官に、一方の関係会社に対して所得又は費用を査定する権限を付与し、当該査定により影響を受ける他方関係会社に税金還付を認める、次の通り、新しい規定を発行したい、と考えている。
  • 今回公表されたドラフトから分かるのは、対応的調整の規定が明確に規定されていること、そして、いわゆる移転価格税制のみならず、タイ特有ともいうべき(といっても他のアジア周辺国について筆者は全く知らないのですが)国内取引に対する移転価格税制に対しても、この対応的調整が適用され得るということです。この結果、今後、国内取引に関しては、税務当局からの移転価格を理由とする一方的な賦課決定に歯止めがかかることを期待したいと思います。
  • また移転化価格の文書化及び文書提出義務について、会計期間最終日から15日以内に提出することとされていますが、今年の会計期間から適用されるのか、来年の会計期間から適用されるのかは、今回の発表からはなおも不透明といえます。

移転価格税制に係る規定ドラフト

第71条の2(Bis)
  • 会社又は法人格を有する組合が、資本、経営、又は支配に関して直接的又は間接的に関係を持つ法人を有し、当該法人が他の法人から独立して事業を遂行するに適切な特徴と異なる商業上並びに財務上の特徴をお互いに有する法人である場合、税務調査官は、当該会社又は法人格を有する組合に対して、大臣が許可の下、歳入局長が定めた規則、方法及び条件に従い、当該会社又は法人格を有する組合が、独立して事業を遂行していたならば得られる所得又は費用の金額を、修正する権限を有する。
  • 第1段落に定めた互いに関係を有する会社又は法人格を有する組合に対する所得又は費用の査定が、既に納税又は源泉徴収された会社又は法人格を有する組合に影響し、当該会社又は法人格を有する組合が、正しく納税すべき税額を超えて又は納税義務のない金額の税金を既に納税している場合、当該会社又は法人格を有する組合は、査定通知を受けた日から60日以内又は法定の時効に従い申告期限最終日から3年以内に、税金の還付申請を行う権利を有する。
第71条の3(Ter)
  • 第71条の2に定める互いに関係を有する会社又は法人格を有する組合は、会計期間最終日の150日以内に、資本、経営、又は支配に関して直接的又は間接的な関係、所得又は費用の計算の方法を示す文書又は証拠を作成提出するものとする。当該関係を有する会社又は法人格を有する組合は、歳入局長が定める規則、方法及び条件に従い、税務調査官に当該文書又は証拠を提出するものとする。
  • 第71条の2に定める互いに関係を有する会社又は法人格を有する組合が、第1段落に定める期間内に前記文書又は証拠を税務調査官に提出しなかった場合、誤謬のある又は不正確な文書又は証拠を作成した場合、又は正当な理由なく条件に合致しない不完全な書類又は証拠を作成した場合、40万バーツ以下の罰金に処する。

最新法令一覧表

重要法令・ルーリング全訳・解説

最高裁判所例要旨 第1954-1956/2554号

労働監督官の命令に対する不服申立について

所得税に係る歳入局通達( 第257号)

長期投資ファンド(LTF)購入のために支払った所得税の免税に関する規則、手続並びに条件について

所得税に係る歳入局通達( 第258号)

年金型積立ファンド(RMF)の償還により受け取った報酬または便益に対する所得税免税に関する規則、手続並びに条件について

所得税に係る歳入局通達( 第259号)

年金方積立ファンド(RMF)購入のため支払った所得の所得税の免税に関する規則、手続並びに条件について

歳入局ルーリング・ゴーコー0702/4591号

中間期の予定納税に係る「合理的理由」の検討

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