タックス・ニュース 第269号 2019年05月号

タックス・ニュース 第269号 2019年05月号

最新法令一覧表

トピックス

   外国人事業許可の申請を要しないサービス業を定める省令案

仏歴2562(2019)年5月14日、内閣は次を閣議決定した。

  1. 仏歴……..年外国人事業許可の申請を要しないサービス業を定める省令案の承認。 同省令案の要点は、3つのサービス業を、仏歴2542(1999)年外国人事業法の末尾に添付 する第3付表(21)の規定に許可申請を要しない事業とするものであり、次の事業を対象とす る。
            (1) 国内の関連会社に対する融資提供サービス業、
            (2) 関連会社に対する事務所ビル及び公共施設の賃貸サービス業、及び
            (3) 管理、マーケティング、人材並びに情報技術分野を対象とする、関連会社に対するコンサルティングサービス業。
                 これらは商務省の提案によるものである。審議にために法制委員会事務局へ提出し、以後の手続きを認める。

    2.商務省は、タイ人事業者の競争能力を監視し、外国人事業者の金融的コストがタイ人事業者を下回らないよう管理すべきであるとの財務省、デジタル経済開発省並びに タイ中央銀行の意見を受入れるものとする。又、法律の適用日を明確に定めるべきであり、影響をもたらすと予想するタイ人事業者からの意見を受け入れ、万全且つ明確 化           を図るために当該意見を検討すべきである。さらに、競争の激化に備える準備及びこれに対応させるために、タイ人事業者に対しデジタル分野に関する知識及び理解度を高めるようコミュニケーション、促進及び支援し、並びにその他金融事業の競争能力に対して影響を与えないようにするために、国内の関連会社に対する融資提供サービス業の競争レベルについても監視し、それも踏まえて検討するものとする。

     仏歴2562(2019)年工場法(第2号)及び仏歴2562(2019)年工場法(第3号)

仏歴2562(2019)年4月30日において、仏歴2562(2019)年工場法(第2号)及び仏歴 2562(2019)年工場法(第3号)が官報掲載された。仏歴2562(2019)工場法(第2号) は、官報掲載日から180日経過日(2019年10月28日)より適用され、仏歴2562(2019) 年工場法(第3号)は、官報掲載日の翌日(2019年5月1日)より適用される。

本法適用の理由は、仏歴2535(1992)年工場法が長期に渡り適用されてきたことにより、一部の規 定が現在の状況に対して不適切で合致していないものとなった。特に工場監督に関する基準については、厳 格且つ遅延の伴うものであり、工場運営に対して問題並びに障害をもたらすものである。工場の監督を必要 最低限に定め、迅速、節約、並びに工場の事業者、特に小規模工場の事業者に対する負担を軽減するため に、工場監督基準を新たに変更するべきである。当該変更は、法律に基づく許可者及び担当官吏による検討 に係る過程及び期間の改善、裁量の行使を減少、工場許可証の更新制度の廃止、並びに罰則規定の改正、さ らに現在の経済及び社会状況との適切性及び合致を図るために、手数料レートを改訂するものである。

  1. 仏歴2562(2019)年工場法(第2号)の重要事項は、以下の通りである。

            •    「工場」の定義を改正し、次を意味するものとする。合計50馬力又は同等の力を持つ機械を使用する又は機械の有無によらず50名以上の作業員を使用する建物、場所又は運搬車両。
            •    産業省において工場監査官として登録した、事業の適合性を監査及び認証することのできる民間の監査人並びに担当官吏に対し提案するための監査結果報告書の作成に関する規定を追加し、工場の認証における迅速化を図る。
            •    工場許可証及び許可証有効期限の廃止。
            •    公害汚染の軽減、迷惑事象の防止、機械効率の強化、又は効率の向上のためのエネルギー変更を目的とする工場拡大の場合における、工場拡大許可申請の 免除。
            •    許可証取得者が工場許可証を取得したが、当該許可証取得後に工場を操業開始することができない場合、当該許可証取得者は、許可証を他者に譲渡することができる。許可証の譲受希望者は、譲渡日より30日以内に許可者に対し譲受申請書を提出するものとする。許可者による審査期間中においては、譲受申請者は、その譲受の行われた日をもって許可証取得者となっているものとみなす。
            •    第2群工場及び第3群工場が、1年以上事業を停止したとき、その1年経過日から7日以内に書面をもって担当官吏に対し通知しなければならない。第2群工場が事業を再開する場合、再開前に書面をもって担当官吏に対し通知するものとする。第3群工場の場合は、許可を得てから再開することができる。
            •    法律に基づく手数料レートを、以下の通り改正する。

項 目 手数料
1.申請 1通 100 バーツ
2.許可証 1通 300,000バーツ
3.工場拡大許可 1通 300,000バーツ
4.許可証の譲渡 1通 5,000バーツ
5.許可証の再発行 1通 5,000バーツ
6.工場拡大許可の申請が免除された場合、又は機械を減少又は増加したが、工場の 拡大又は工場建物の面積の増加又は工場建物の追加建築に該当しない場合の届出。 1回 15,000バーツ
7.監査又は認証許可証 1通 5,000バーツ
8.監査又は認証許可証の更新 1通 5,000バーツ
9.監査又は認証許可証の再発行 1通 500バーツ
10.工場操業手数料 1年 100,000バーツ

    2. 仏歴2562(2019)年工場法(第3号)の重要事項は、以下の通りである。

        •    第1群工場及び第2群工場に関する権限を有する担当官吏を、地方行政機関へ転籍する。

仏歴2562(2019)年タイ工業団地公団法(第5号)

2019年4月16日において、仏歴2562(2019)年タイ工業団地公団法(第5号)が官報へ掲載 された。本法は、2019年4月17日より適用される。本法の内容は、タイ工業団地(IEAT)の目的 及び権限についての改正であり、タイ工業団地公団の業務に対し必要又は有益な事業がカバーされる。本改 正は、国家の公有財産を定める勅令の発布により取得した土地所有権の移転に関する条項の明確化、さらに 工業団地内における事業者に対する便宜供与、及び商業への便宜向上を目的する自由貿易地域への物品又は 資材の搬入を追求するために、一部の法律に基づく必要な承認、許可、許可証発行、認可又は登記若しくは 通知の受理につき、これをタイ工業団地公団総裁の権限とするものである。

仏歴2562(2019)年タイ工業団地公団法(第5号)の重要事項は、以下の通りである。

•    タイ工業団地公団の権限を追加し、以下の事業をカバーする。
        –    産業港事業の運営、並びに工業事業者、商業事業者、その他有益な事業を営む事業者に対するサービスに提供のために、運営に必要な施設及び高水準な生活 の提供、さらに公共高熱施設、住居、空路又は水上運送、港、通信施設又はその他工業区域内において特に必要な事業の提供。
        –    タイ工業団地公団の目的範囲内にある業務に関係する又は関連する事業の運営のための株式会社又は公開株式会社の設立。
        –    国内及び外国における、タイ工業団地公団の目的範囲内にある業務に対して有益な又は関連する目的を又は事業を営む他者との営業活動に参加並びにパートナーシップ法人における有限責任の組合員としての参加又は法人の株式の保有。
•    タイ工業団地が、国家の公有財産の加工を定める勅令により取得した国民が共用している国家の公有財産である土地の所有権を、工業団地設立参加者、工業事業者、商業事業者又はその他工業又は商業に有益な又は関連する事業を営む者に対し移転できる権限を、タイ工業団地に付与する。
•    タイ工業団地公団総裁に対し、以下の法律に関する工業事業者又は商業事業者による手続き又は行為に関する法律に基づく承認、許可又は認可、又は登記又は通知を受     理受理する権限を付与する。
        –    土の掘削及び埋立に関する法律
        –    建物規制に関する法律
        –    公共衛生に関する法律
        –    工場に関する法律

尚、タイ工業団地公団は、手数料及び諸費用を徴収する権限を有し、そのサービス料は、タイ工業団地公団 の収入に帰するものとする。

仏歴2562(2019) 年権利に基づく財産法

2019年4月30日、仏歴2562(2019)年権利に基づく資産法が官報へ掲載された。本法は、官 報掲載日から起算して180日以内に適用される(2019年10月28日)。又、内務省は、本法手適用 日から180日以内に、権利に基づく財産登記、登記手続きに係る手数料及び費用を定める省令を発布する ものとする。

本法を発布する理由及び必要性とは、民商法典に基づく不動産賃貸は、幾つかの制限事項(例:賃借権は、 賃借者のみに帰属する、賃借権は、抵当権設定のための担保に供することができない等。)があり、さらに 仏歴2542(1999)年商業及び産業目的不動産賃貸法に基づく賃貸では、賃借権を行使できない制限 事項が複数存在するため(例:賃借者は、商業及び工業を目的とする場合に限り賃借権を抵当権、転借に供 することができる等。)、不動産投資奨励及び国家経済成長の奨励及び促進を目的として、賃借権を、譲渡 又は抵当債務の担保に供与することのできる財産と同等にするために、新たな種類の財産、即ち「権利に基 づく財産」を制定すべきであると判断した。

仏歴2562(2019)年権利に基づく財産法の要点は、以下の通りである。

•    権利に基づく財産は、権利証書を有する土地の賃借権、権利証書を有する土地付き建物の賃借権、土地及びコンドミニアムに関する法律に基づくコンドミニアムの賃借権 が      含まれ、これら権利に基づく財産は、本法では、上記不動産の使用権に基づく財産とみなされる。

•    不動産所有者(土地所有者及びコンドミニアム所有者)は、土地及びコンドミニアムに関する法律に基づ き、担当官吏に対し、権利に基づく財産の設立登記を行わなければならない。
•    権利に基づく財産は、30年間有効とする。
•    不動産所有者は、その所有する物件の全面に対して権利に基づく財産を設立登記しなければならない。権利に基づく財産として登記する土地は、分割して登記又は他の 土地と合わせて登記することはできない。
•    権利に基づく財産の所持者(賃貸者、賃借者等)は、当該不動産の所有者による承諾を要さずに賃借権を譲渡、転借、抵当債務の担保に供することができる。
•    賃借者が死亡した場合、権利に基づく財産は、相続人へ相続され、相続人は、当該権利に基づく財産の新たな所持者となる。
•    権利に基づく財産の所持者は、当該不動産の譲渡、改築、増築などといった、不動産保有者と同様な権利、義務及び責任を有するが、当該権利に基づく財産の所持者は、当該不動産を使用する権利を有しない者及び当該不動産を不法に使用する者から追跡、取り戻し、妨害する権利を有しない。
•    権利に基づく財産に関する取引は、全ての場合において書面をもって行い、担当官吏に対し登記した上、当該不動産の所有者に対し通知しなければならない。
  
新労働者保護法の適用

去る2019年4月5日において、仏歴2562(2019)年労働者保護法(第7号)が官報へ掲載され ました。同法は官報掲載日より30日後の適用となっております。詳しくは弊社タックスニュース2019 年1月号トピックス(仏歴…………年労働者保護法案(第……号))に掲載しておりますので、そちらをご 覧ください。

重要法令・ルーリング全訳・解説

最高裁判所判決要旨第6447/2560号

    脱税の意図

仏歴2562(2019)年歳入法典改正法(第 50号)

    タイ通貨以外の通貨の機能通貨機能通貨としての採用、外貨、外貨建て資産又は負債の計算における為替レート、並びに外貨を機能通貨として採用する会社又は法人格を有する組合の税計算及び納税について。

仏歴2562(2019)年歳入法典改正法(第 51号)

    政党への寄付金を対象とする所得税の控除について。

仏歴2562(2019)年歳入法典改正法(第 52号)

    投資信託の定義等について

仏歴2562(2019)年歳入法典の法令遵守を 支援するための税務上の延滞税及び刑事責任免除法

    一定の条件を満たした会社又は法人格を有する組合に対する延滞税の免除について

歳入局長通達

   歳入法典の法令遵守を支援するための税務上の延滞税及び刑事責任の免除に関する法律に基づく登録に関する基準、手続及び条件について 

歳入局ルーリング第ゴー・コー0702/9637 号

    フランス人実習生を対象とする個人所得税の取扱い

      



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