ESSAY

タイの VAT 還付加算金にかかる最高裁の判決

~租税法律主義あるいは法治主義

Sorry, this entry is only available in Japanese. For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language. この文章(link)は国際税務2018年2月号に所載されたものです。 ここをクリックすると、PDFファイルが表示されます。

タイ投資における専門家の使い方

Sorry, this entry is only available in Japanese. For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language. 以下の文章は、10年ほど前に、弁護士の高井伸夫先生から依頼されて、髙井・岡芹法律事務所の所報に掲載されたものです。 常夏バンコクの遠い夢-漫画のような話 アリヤ・グループ   公認会計士 形部 直道    この長野県に引っ越してきまして、早いもので半年を越えました。もっとも、「早いもので」という感慨は、高が半年という期間には本当のところ馴染まないものだとは思います。でも、私は、タイのバンコクというところに、足掛け25年、会計・法律事務所を構えて暮らしてたものですから、日本に戻って以来、「おお、月日のたつのは本当に早いや」という気がしています。一体、タイは常夏といわれるところです。この間まで一年中、夏だったものが、ここ軽井沢では冬は、結構、寒い。最初は、長袖の服なんてものは持ってやしません。今は半ば隠居生活をしていますので、呑気に暮らしている所為なのでしょうが、もう、バンコクの日常は遠い夢を見ているような気分です。  バンコクでは、もっぱら、タイに進出する日系企業のお手伝いをしておりました。もっとも、事務所は今でもありますから、しております、という方が良いかも知れません。タイ人の弁護士が5名ほど、そして、日本人の弁護士が1名が働いております法律・税務事務所、タイの公認会計士5名、日本人の公認会計士2名のほか、専門スタッフ50名くらいでやっている監査法人、この二つを中核として、業務を営んでおります。  私自身が一番得意なのは、国際税務という分野です。国境をまたいで行われる取引に関しての税務、これが国際税務という分野である、そう考えてもさほど間違いではありますまい。日本から見れば、移転価格税制、タックスヘイブン税制、外国税額控除とかいう用語が関係いたします。これがなかなか一筋縄ではいかない。簡単そうで難しい。なぜ難しいかといいますと、単純な取引でさえ、その課税関係を確定するための国際課税の理屈が混沌としているから、といって良い。そして、現在では、証券化やら何やら様々な金融商品が登場してまいりましたし、しかも取引自体、電子取引の体裁をとることも少なくない。さらには、各国が間接税をこぞって導入したことから、いわゆる所得税のほかに消費税(付加価値税)の問題も生ずるといった具合で、ちょっとした取引でさえ、当局を含めて誰に訊いても訳が分からない、といった状況になっている、これが一般である、と怪しんでおります。そういった事柄に専門家と罷り出るのは、実のところ、面妖であると思われても仕方ありませんが、ともかく、そういった仕事を半分くらいはしておりました。  日本から企業が進出するときの商圏やインフラといった情報は、私どもには、まず関係ありません。関係するのは、進出形態の決定からだと思います。駐在員事務所とするか、または、支店といった体裁をとるか、さらには、新しく現地で法人を設けるか、といったことから関与したしまして、合弁企業の場合には、合弁契約。その上に税務上の手当てと会計諸規則。事業目的によっては必要となるライセンスの取得。賃貸契約等々。進出する日系企業に制度上の必要な助言業務をしておりますと、もともと会計事務所であったものが、どうしても法律関係の仕事も出てまいります。  この稿では、日系企業がタイという外国に企業進出するとき、これをいろいろお手伝いした経験から、気が付いたこと、およそ感想というぐらいのことになってしまうかも知れませんけれども、あれこれを書いてみようと思っております。私は、タイでの経験が主ですが、どこの国でも似たようなところはきっとあると察して、お話を進めます。  「郷に入れば郷に従え」という言葉があります。新しい場所に行ったなら、その習慣や風習に従うのがよろしい、というほどの意味でしょう。もっともなことだ、と思いますけれども、考えてみますと、この諺には、違う場所には違う習慣がある、ということが前提とされている。  Globalismという用語が喧伝されています。その真の意味については私には不案内ですが、下町の会社や地方で小さく操業していた工場がタイにもずいぶんと進出して来ました。  外国に出かけたとき、最初の頃に心配になるのが「チップ」です。タクシーから降りるとき、チップを渡さなければいけないとガイドブックに書いてあったりします。これが高じて、タイで会社作るときにもチップが必要なのではないか、と思う日本人をたくさん見ます。  外国には外国の常識がある、これに異存を唱える人は少ないと思いますが、日本の常識は、グローバライゼーションの今日、役に立たないのでしょうか。  この辺からお話をしたいと思います。  今から四,五年前のことです。バンコク郊外にある日系企業の工場で応接室のソファに深々と腰を下ろした四十歳後半の男(公認会計士。国際的会計事務所のタイ支社のパートナーで、日本の大手の監査法人の代表社員でもあった。)が、『四百万バーツ(約千二百万円)の現金を早く用意して下さいよ。税調の係官にあげる約束なんだから』と厳しい口調で責めていました。室内は静まり返って、空調の音が鳴り響く限りです。『そんな話は聞いていませんが』と社長が応じます。二人とも日本人です。会計士は、『タイでは当たり前のことなんだし、早く用意しないと相手が・・』と横に座っているタイ人弁護士(彼も当該事務所のパートナー)に目をやりました。私の目の前で、まるで映画のシーンのような光景が繰り広げられます。  『僕はずいぶんとタイで税調をこなしてきたが、そんな話は聞いたことがない。タイでは当たり前というが、君の経験ではそうなの?』。この会計士の男(私の学校の後輩でもある。)に私が聞いたところ、『いや、私には税調の経験がないのですが、うちの弁護士がそう言っているので』と返してきました。  これには仰天しました。『なんだあ、それ。だったら、そんなもの払う必要はない。』と断りました。『何かの報復があるかもしれない』と、これは相手のタイ人弁護士。笑い話のようですが、当該社長は、後日、防弾チョッキを用意したのだそうです。  この話は、日本の企業が外国に進出することに関して、大変に有益なことを、色々我々に教えてくれていると考えます。  外国では、そこに長くいる日本人から騙されることが多い、ということを良く聞くと思います。やはり、外地の情報については、日本語によるのが楽で、当該外国に長くいて、経験豊富な日本人の話を信頼してしまうのは、まあ当たり前でしょう。それが日本人専門家であればなおのことです。  ところが、日本人の専門家は、その外国の制度について、誤った概念を持っていることがまことに多い。これには理由があります。  そもそも、その地の日本人弁護士や会計士は、どうやって情報を得ているのでしょうか。大抵の日本人専門家は、実は、提携先の事務所に机を借りるような具合で仕事をしております。私の場合もそんな案配でした。ある大手の監査法人から、提携先であるクーパーズ・アンド・ライブランド(当時)のバンコク事務所に、一九八九年に駐在員として派遣されました。私の役目は、早い話が営業マン。私の派遣先は外資系事務所ですから、実質的なトップは英国人でした。その下で、日系企業クライアントを取って来る。これが私の役目です。事務所は私に対して専門家としての期待はないのです。  ところが、クライアントからは、「登記しないで駐在員事務所を持ちたい」「税金の還付が難しいというが、本当か」「タイには法定帳簿があるのか」「弁護士は国家資格なのか」等々、様々な案件が来ます。 ...

タイがお好きだった五味先生を偲ぶ

~日タイ租税条約の1990年改定時のエピソードと最近の動向を踏まえて

去る5月11日、元大蔵省国税審議官、五味雄治氏のご葬儀が築地本願寺でしめやかに行われた。

日本人会計士の国際化

~バンコクでの観察次第

グローバル化。どうにも厄介な言葉ですが、これが、無闇に進んだことは間違いのないことです。

タイの会計事情(2)

この仕事をして最初にとまどったのが、「アカンタント」という言葉です。

タイの会計事情(1)

「皆さんが勉強してきた会計は、もうすぐ使い物にならなくなる。勉強しないと、追いつけなくなりますよ。」