税効果会計

著者
パカーポン ワンプンプット&形部 直道

出版日
2018年10月

Dimensions(w x h)
14.5 x 21.0 cm.

ページ数
87 ページ

市販価格
書店:430バーツ
直接購入:300バーツ

IFRS(国際財務報告基準)を理解している日本人会計士は、稀であると思っています。わかっているふりをする人は結構いますが。そういう小生も、分かっていないことを分かっている、という一点で、自分もなかなか優れていると息巻いている情けない状況です。実際、IFRSのことをネットで調べると、山ほどヒットしますが、僕らが読んでもまず理解できない。これは、小生の頭がボンクラというわけではなく、書き手がわかっていないせいだと思うことにしています。そしてそれらの情報、大抵は、IFRSの下手な日本語訳をそのまま載せて、これを解説と称しています。

IFRSは、金融商品会計が発端であるとみる専門家は多いと思います。ある人に言わせれば、金融商品会計を理解するには、最低、微分方程式がわかっている必要があるのだそうで、昔、小生の親友の奥さんだった現公認会計士協会会長に、君は数学科出なんだから、ちゃんとした説明本を書いたらどうだい、といったら、自分は、幾何のほうだった、とか何とか言って逃げられた思い出があります。

タイ人アカンタントや会計士が、IFRSの理解が及ばないという事態を、私たちは決して下に見ることはできません。

一時、特にBIG4と呼ばれる大きな事務所の圧力で、タイでも、IFRSの中小企業用の会計基準が導入されると喧伝されました。当然ながら、タイ人のアカンタントの世界では、それは大騒ぎとなったものです。毎日のようにセミナーが開催されました。

弊事務所のスタッフも、いろいろ出ていたようですが、聞いてみますと、その中で、分からないものの中心の一つが、「税効果会計」であったと思われました。講師の方の説明も、あるいは違っているのではないか、と危惧されました。

IFRSの会計の性質を如実に表している分野が、「税効果」の考え方であると筆者は思っております。かつ、IFRSの会計の不出来であるところが、もっともよく出ているところではないか、と勝手に思っております。

さらに、タイでのIFRSの中小企業用の会計基準の導入は、なくなった現状ですが、現在適用されている非公開企業用の会計基準では、税効果会計の適用は、禁止されていませんので、依然、「税効果」の理解は求められる分野と言ってよいのではないかと怪しんでいます。

そこで、タイ人向けに「税効果会計」について、できるだけわかりやすく書いたものが本書であります。

分かりづらかったりすれば、それはタイ人アカンタントのせいではなく、前述のように、筆者である小生の理解が浅いせいであります。

これを読めば、税効果だけではなく、IFRSの思考の根幹も分かるというのがうたい文句ですが、さて、本当のところどうでしょうか。タイ人の会計に携わる人の評判が気になるところです。

なお、そういったわけで、「はじめに」という部分を除いて、全編、タイ語で書かれているものです。

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