タックス・ニュース 第267号 2019年03月号

タックス・ニュース 第267号 2019年03月号

最新法令一覧表

トピックス

仏歴2562(2019)年土地及び建物税法

仏歴2562(2019)年土地及び建築物税法は、官報掲載の翌日より適用される。但し、本法に基づく 土地及び建物に対する徴税については、2020年1月1日より適用する。

本法の重要点は、現在の状況と適応化させ、地方行政機関の収益回収の効率を向上し、社会格差の減少、投 機問題の解決、土地の活用を促すことを目的として、固定資産税法及び地方整備税法を一つに統一させるた めのものであるので、税率を査定するために、資産の使用目的を以下の4種に区分することができる。

1.農業目的に使用する土地及び建物は、上限0.15%とする。個人の場合、最初の3年間は免税され る。

資産価値 税率
7千5百万バーツ以内 0.01%
7千5百万バーツ以上1億バーツ以内 0.03%
1億バーツ以上5億バーツ 以内 0.05%
5億バーツ以上10億バーツ以内 0.07%
10億バーツ以上 0.10%
    2.住居として使用する土地及び建物は、上限0.3%とする。

資 産価値 税 率
5千万バーツ以内 0.02%
5千万バーツ以上7千5百万バーツ以内 0.03%
7千5百万バーツ以上1億バーツ以内 0.05%
1億バーツ以上 0.07%

尚、 主要住居の場合、家屋及び土地の所有者であれば、最初の5千万バーツ部分について免税される。 家屋のみの所有者である場合、1千万バーツの免税が認められる。

    3.商業及び産業目的で使用する土地又は建物の場合、上限は1.2%とする。

資産価値 税率
5千万バーツ以内 0.3%
5千万バーツ以上2億バーツ以内 0.4%
2億万バーツ以上10億バーツ以内 0.5%
10億万バーツ以上50億バーツ以内 0.6%
50億バーツ以上 0.7%

    4.空地又は使用されていない土地又は建物の場合、0.3%から課税を開始し、3年毎に 0.3%増加するが、最高で3%以内とする。

資 産価値 税 率
5千万バーツ以内 0.3%
5千万バーツ以上2億バーツ以内 0.4%
2億万バーツ以上10億バーツ以内 0.5%
10億万バーツ以上50億バーツ以内 0.6%
50億バーツ以上 0.7%

       免税対象となる資産。
本 法に基づき免税が認められる土地及び建築物は、政府の資産、宗教資産、国際機関、大使館、領事 館、赤十字協会の資産、財団の資産、公共慈善団体、民間の土地で、公益のために政府による使用 を承諾した部分、公共用地。

       税金負担の軽減措置。
土 地及び建築物税徴税の最初の3年間における負担軽減は、農業目的で使用する個人である土地/建 物の所有者を対象として免税する。又、納税額が増加する場合は(家屋土地税及び地方整備税と比 較して)、税金負担の軽減措置が認められ、最初の3年間は、増加分につき、以下の通り納付す る。
-1年目:増加分の25%
-2年目:増加分の50%
-3年目:増加分の75%

    新労働者保護法の適用による影響の認識に係る検討結果について。

民 間協力委員会3機関(タイ商工会議所、タイ国産業協会、タイ銀行協会)による文書(雇用者が、 勤続期間20年以上で最終賃金率の400日分の解雇補償金取得権を有する被雇用者を解雇する場 合の解雇補償金について追加規定する新労働者保護法に伴う影響の認識のための会計処理における 選択肢の検討について)により、

2019年1月23日に行われたタイ会計業協会委員会における検討の結果、以下が決議された。
•    会計基準第19号:従業員給付(「企業」)第103.1項を採用する公開株式会社又は非公開株式会社の場合、企業は、事業の再構築(リストラクチャリング)*のあるとき、 過去勤務費用を認識しなければならない。従って、企業が過去勤務費用を2018年度又は 2019年度における損益として認識するかについては、どの年度に事業の再構築(リストラク チャリング)を行うかを検討する企業の裁量による。
•    非公開会社の場合、企業は、債務の生じた会計期間における、経営部の債務見積りによる。(非公開会社用財務報告基準第304項に定める認識基準に準ずる。)当該見積額は、 全額費用として損益計算書に計上する。

以上、タイ会計業協会委員会は、当該検討結果を関係者全員に通知する。

*制度改訂(確定給付制度の導入、廃止又は変更)、又は縮小(従業員数を大幅に削減)により生 じる過去の期間の従業員の勤務に係る確定給付制度債務の現在位置の変動


    歳入局からのお知らせ 主題:個人所得税還付に関する案内。

歳入局は、国民へのサービスに応えるため、プロンプトペイ(PromptPay)システムを経 由した個人所得税還付金の銀行振込サービスを改善した。これは納税者に対する便宜に供すること を目的とするものであり、小切手を入金するために銀行へ持参する負担を軽減させ、還付金小切手 の郵送待ちを不要とさせるものである。さらに還付金小切手の未着又は紛失に関する問題を解消 し、国家の負担となる小切手の印刷及び郵送コストの削減につながる。しかし、現時点で、プロン プトペイ(PromptPay)を経由する銀行振込での還付金の受取を希望しない還付申請者が 存在するため、歳入局が郵送した個人所得税還付通知書と、国民登録証及び/又は還付金受取権を 有する所得者であることを証明する証拠を、当該還付通知書に記載する日付以内に持参して銀行で 還付金を受取る手段を設けている。

ウィニット・ウィセートスワンナプーム、歳入局副報道官の地位にある徴税標準局長によれば、外 国人である還付申請者が個人所得税還付通知書を取得したが、タイ国から出国したために銀行で還 付金を受取ることができない場合、当該還付申請者は、法定代理人に委任することができる。その 際、当該代理人は、歳入局が郵送した還付通知書と、法定代理人であることが証明できる書類を添 付して、当該還付通知書に記載する日付以内にクルンタイ銀行で還付金を受取ることができる。

上記の手続は、還付申請者が還付金受取前に死亡した、障害者である、禁治産者である又は準禁治 産者である、若しくは還付申請者が外国に滞在している場合などの、自己で手続を行うことができ ず、法定代理人を有するその他の場合にも対応しており、この場合、還付申請者は外国人と同様 に、法定代理人に代行を依頼することができる。

団 体又は普通パートナーシップ、地域企業、未分与の遺産の場合、団体又は普通パートナーシップ又 は地域企業の代表者又はマネージャー若しくは遺産管財人が、歳入局の郵送した還付通知書と法定 代理人であることが証明できる書類を添付して、当該還付通知書に記載する日付以内に持参して銀 行で還付金を受取ることができる。

クルンタイ銀行は、2019年2月24日から上記還付申請者に対するサービス提供を可能にする ためにシステムを改善する。

    仏歴2562(2018)年中央株式登記事務局通達 主題:仏歴2562(2019)年パートナーシップ又は株式会社の登記申請者が面前で署名できる者について。

パートナーシップ及び株式会社の登記に対する便宜及び柔軟性に供するために、登記申請者が登記 官の面前で署名することができない場合における、登記申請書の署名に関する規定を改正すべきも のとして。

仏歴2549(2006)年中央株式登記事務局設立、登記官選任及びパートナーシップ及び株式 会社登記に関する基準、手続及び条件に関して、民商法典の規定に基づき発布する省令第6項 (1)(c)の権限に基づき、中央登記官は、以下を通達する。

第1項 仏歴2558(2015)年付中央株式登記事務局通達(主題:仏歴2558(2015 年)パートナーシップ又は株式会社の登記申請者が面前で署名できる者について。)を廃止する。

第2項 以下の者を、パートナーシップ及び株式会社登記申請者が面前で署名できる者とする。
(1)     タイ国貿易委員会役員
(2)     タイ商工会議所役員
(3)     県商工会議所役員 
(4)     タイ国内で登記した外国の商工会議所役員
(5)     タイ工業連盟役員
(6)     県工業連盟役員
(7)     タイ荷主協議会役員
(8)     会計業協会役員
(9)     会計職に関する法律に基づく公認会計士
(10)    会計業協会会員又は会計業協会で登録した経理作成責任者。
(11)    会計職協会の会員である又は登記官に対して通知した標準会計事務所の名簿に基づき会計業協会に登録しており、産業振興局から標準会計事務所証明書(標準会計事務所)を享受 した会計事務所の所長又は業務執行社員(Managing Partner)又は取締役。
(12)    事業における担保に関する法律に基づく担保実行者としての許可証を得た者。

本通達は、これより適用する。

仏歴2562(2019)年3月1日
ウティクライ・リーウィリヤパン
産業振興局長
中央登記官


重要法令・ルーリング全訳・解説

最高裁判所判決要旨第8532/2560号

    印紙の貼付のない金銭消費貸借契約書の証拠力

最高裁判所判決要旨第8942/2560号

    交換品のための税額票

所得税に関する歳入局長通達(第335号)

         対象産業を営む会社又は法人格を有する組合における被雇用者として就労する経営者、専門家又は研究者の雇用契約に基づき取得した所得に対する所得税免税のための基準、手続 及び条件について。

歳入局ルーリング第ゴー・コー0702/1062 号

    申告期限日が休日に該当する場合における、加算税及び延滞税の取扱いについて。

歳入局ルーリング第ゴー・コー0702/ポー /1064号

    付加価値税登録及び納税義務の場合における、付加価値税の取扱い。   



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