※ 法令部分の日本語は参考のための仮訳です。正文はタイ語です。
非公開株式会社 (บริษัทจำกัด)
配当
利益以外の資金から配当を支払ってはならない。会社に欠損がある場合は、その欠損を填補するまで配当を支払ってはならない(民商法典第1201条)。
法定準備金
配当を行うたびに、会社は事業から得た利益の20分の1以上を準備金として積み立てなければならない。準備金が資本金の10分の1(またはそれ以上で定款に定める額)に達するまで続ける(民商法典第1202条)。
*民商法典は、準備金は利益から積み立てると定めるのみで、どの利益かは特定していない。
罰則
- 株主総会の決議なく(中間配当の場合は取締役会の決議なく)配当した
- 利益以外の資金から配当した、または累積欠損を先に填補せずに配当した
- 株主総会または取締役会の決議日から1か月以内に支払いを完了しなかった
- 法定準備金を積み立てなかった
行政罰(พินัย)として2万バーツ以下の過料に処される(仏暦2499年「登録合名会社・有限責任パートナーシップ・株式会社・社団及び財団に関する違反を定める法律」第19条)。
公開株式会社 (บริษัทมหาชนจำกัด)
配当
利益以外の資金から配当を支払うことはできない。累積欠損が残っている場合は、配当を支払ってはならない(公開株式会社法第115条)。
法定準備金
会社は、毎年の純利益から繰越欠損金(ある場合)を差し引いた額の5%以上を準備金として積み立てなければならない。準備金が登録資本金の10%以上に達するまで続ける(公開株式会社法第116条)。
*公開株式会社法は、準備金は毎年の純利益から積み立てると明確に定めている。
罰則
- 会社が第115条、第116条または第117条に違反して株主に配当し、会社の債権者に不利益を与えた場合、債権者は株主に対し受け取った配当の返還を求めて提訴できる。提訴は株主総会の決議日から1年以内に限る。ただし、善意で配当を受け取った株主に返還を強制することはできない(仏暦2535年公開株式会社法第118条)。
- 上記1の第118条に基づく責任について、取締役は会社に生じた損害につき連帯して責任を負う。ただし、誠実に行動し、会長、会社の財務担当者または監査人が正確であると証明した証拠や財務報告に依拠したことを証明した場合はこの限りでない(仏暦2535年公開株式会社法第91条)。
よくある質問
1. 利益があれば、毎年法定準備金を積み立てる必要があるか?
- 非公開株式会社は、配当を支払うときに限り法定準備金を積み立てる。
- 一方、公開株式会社は、配当を宣言しない年でも純利益から準備金を積み立てなければならない。
2. それとも、配当を支払う前に毎回積み立てるのか?
- 1の回答のとおり。
3. 準備金が満額(資本金の10分の1以上)に達するまで、配当は支払えないのか?
- 満額になるのを待つ必要はない。非公開株式会社は、配当を支払わなければ準備金を積み立てる必要もない。
- 公開株式会社も同様に、満額になるのを待つ必要はない。ただし公開株式会社は、配当を宣言しない年でも純利益から準備金を積み立てなければならない。
民商法典(仮訳)
第1201条 配当は、株主総会の決議によらなければ宣言してはならない。
取締役は、会社に相応の利益があると認めるときは、随時、株主に中間配当を支払うことができる。
利益以外の資金から配当を支払ってはならない。会社に欠損がある場合は、その欠損を填補するまで配当を支払ってはならない。
配当の支払いは、場合に応じて株主総会または取締役の決議の日から1か月以内に完了しなければならない。
第1202条 配当を行うたびに、会社は事業から得た利益の20分の1以上を準備金として積み立てなければならない。準備金が資本金の10分の1、または定款に定めるそれ以上の額に達するまで続ける。
株式を株券の額面を超える価額で発行した場合、その超過額は、準備金が前項に定める額に達するまで準備金に加算する。
仏暦2499年(1956年)登録合名会社・有限責任パートナーシップ・株式会社・社団及び財団に関する違反を定める法律(仮訳)
第19条 非公開株式会社が、民商法典第1201条第1項及び第3項に違反して配当を支払い、同条第4項に定める期間内に配当を支払わず、または同法典第1202条に違反して配当を行ったときは、行政罰(พินัย)として2万バーツ以下の過料に処する。
仏暦2535年(1992年)公開株式会社法(仮訳)
第115条 利益以外の資金から配当を支払うことはできない。会社に累積欠損が残っている場合は、配当を支払ってはならない。
配当は、優先株式について定款に別段の定めがある場合を除き、株式数に応じて1株につき均等に分配する。配当の支払いには株主総会の承認を要する。
定款に定めがある場合、取締役会は、会社に相応の利益があると認めるときは、随時、株主に中間配当を支払うことができる。中間配当を支払ったときは、次回の株主総会に報告する。
配当の支払いは、場合に応じて株主総会または取締役会の決議の日から1か月以内に行う。その際、株主に書面で通知し、配当支払いの公告を新聞に掲載する。
第116条 会社は、毎年の純利益から繰越欠損金(ある場合)を差し引いた額の5%以上を準備金として積み立てなければならない。準備金が登録資本金の10%以上に達するまで続ける。ただし、定款または他の法律がより多額の準備金を求める場合はこの限りでない。
第118条 会社が第115条、第116条または第117条に違反して株主に配当を支払い、会社の債権者に不利益を与えた場合、債権者は株主に対し受け取った配当の返還を求めて提訴できる。提訴は株主総会の決議日から1年以内に行わなければならない。ただし、善意で配当を受け取った株主に返還を強制することはできない。
第91条 取締役は、次の場合に会社に生じた損害について連帯して責任を負う。
(1) 第37条または第38条に従わずに、株式引受人に株式代金の払込みを求め、または財産の所有権を会社に移転させたこと
(2) 第43条に違反して、株式代金を支出し、または株式代金として払い込まれた財産を処分したこと
(3) 第85条に違反する行為
(4) 第89条に違反する貸付け
(5) 第90条に従わずに、取締役に金銭その他の財産を支払ったこと
(6) 第115条に違反して株主に配当を支払ったこと、または第118条に基づく責任。ただし、誠実に行動し、会長、会社の財務担当者または監査人が正確であると証明した証拠や財務報告に依拠したことを証明した場合はこの限りでない。
(7) この法律に基づく会社の帳簿、登録簿または書類を作成または保管しなかったこと。ただし、違反を防ぐために相当の措置をとったことを証明した場合はこの限りでない。
第93条 取締役が第91条(6)に基づき会社に生じた損害について責任を負う場合、当該取締役は、第115条に違反する支払いであること、または第118条に基づく責任があることを知りながら配当を受け取った株主に対し、超過分の配当の返還を求める権利を有する。