タックス・ニュース 第258号 2018年06月号

タックス・ニュース 第258号 2018年06月号

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トピックス

~移転価格税制施行2年延期が決定!

2018年6月5日、内閣は移転価格税制法案を盛り込んだ歳入法典改正案を立法議会 (National Legislative Assembly)に提出しました。
提出された法案の中身はほぼ以前公表された内容とほぼ同じです。内容について、以下の通りです。 もっとも、以下の7)にもある通り、当初2017年1月1日以降開始する会計期間より施行するもの とされていたところは、2年後に延期されています。

  1.     第71条の2第1項   査定官吏は、相互関係を有し、相互に商業上又は財務上関係を有する会社又は法人格を有する組合の益金又は損金の調整を行う権限を有する。
        調整される益金又は損金の金額は独立事業者間価格を用いる。
       本歳入法典改正法案施行後60日以内に以下の内容について財務省令が発行される。
    (1)    関係会社間取引、非関係会社間取引、取引条件(これについてはよくわかりません)、事前確認協議の定義
    (2)    独立当事者間価格に係る相互関係会社間取引条件の検討
    (3)    比較分析可能な取引の種別
    (4)    移転価格検証方法
    (5)    独立事業者間価格の算定
    (6)    法人が独立事業者間価格を下回って取引をした場合の査定官吏による益金及び損金を調整する権限
    (7)    租税条約にいて、相互関係会社が、タイ及び外国の税務当局に対して事前か確認協議を申請すること
    (8)    特別な取引に係る条件
  2.     第71条の2第2項
       相互関係会社の定義
    a.    一方の法人が他方の法人の資本金ないし持分の50%以上を保有
    b.    一の株主又はパートナーが一方及び他方の資本金ないし持分の50%以上を保有
    c.    資本、経営、支配、において相互関係を有する法人で、他方の法人と離れて独立して事業運営できない
  3.    第71条の2第3項
        相互関係会社の益金及び損金を査定された結果、税の還付が生じる場合、当該相互関係会社は、法定期限の通り税務申告をした最終日から3年以内又は査定官吏から賦課決定通知 を受け取った日から60日以内に、還付請求を可能とする。
    この規定は対応的調整に係るもので、特に国内取引に関しての移転価格税制適用に関してはその濫 用を阻止する非常に重要な規定ですが、これはまだ維持されています。
  4.     第71条の3第1項及び第3項
       財務省が定める最低所得(但し法律では3千万バーツ以上)の所得を有する相互関係会社は、歳入局長が定める書式に従い、相互関係会社の情報及び相互関係会社間取引の総額を 報告する文書を提出する義務を有する。
       これに係る財務省令は本歳入法典改正法案施行後60日以内に発行される。
        報告書書式に関する歳入局長通達は上記財務省令施行後30日以内に発行される。
  5.     第71条の3第2項
        査定官吏は、上記報告書を提出した日から5年以内に、歳入局長の許可を得て、当該報告書の提出義務を有する相互関係会社に対して、関係取引における移転価格を分析するため に必要な情報に係る文書又は証拠を提出する義務を有し、その提出期限は査定官吏による提出命令 を受領した日から60日以内で、必要な理由があれば、歳入局長の許可を得て120日以内に期限 を延期できるとされる。
  6.     第35条の3
    第71条の3に定める報告書、文書及び証拠を提出しなかった者、合理的な理由なく不正確又は不 完全な報告書、文書又は証拠を提出した者は、20万バーツの罰金を科される。
  7.     改正法案はさらに、本移転価格税制の施行期限について、2019年1月1日以降に開始する会計期間より適用するものとしている。

強制労働防止及び取締法案

仏暦2561(2018)年5月1日、内閣は、労働省の提案した仏暦……年強要労働又は強制労 働防止及び排除法案の原則の承認が決議され、現在、本法案は、国家立法評議会による審議中である。本法 案の要点は、以下の通りである。

  1.     「強要労働及び強制労働」の意味を、個人を脅迫又は処罰して、その者を非自発的にあらゆる業務又は役務に遂行させることと定義する。
  2.     強要労働又は強制労働使用罪の性格を、不法な行為をもって、圧迫又は圧制して他者に非自発的に労働又は役務を雇用者又は第三者に対し提供させ、同時に、不法な処罰又は暴行 を用いる旨を脅迫し、さらに、不当な処罰又は懲戒処分を適用又は福利の剥奪し、(例:その 者の 身分証明書の取り上げ、その者又は他者の債務を不法に拘束するなど。) 
    結果として、その者が抵抗することができない又は非自発的な業務の遂行を強いられることと なる ものと定義する。
    (はじめに、仏暦2551(2008)年人身売買防止及び取締法に定める人身販売罪につい て考 慮した上、人身販売罪に該当しない場合は、強要労働及び強制労働の使用違反罪であるものとみな す。)
  3.    強制労働問題の防止又は排除対策及び強要労働又は強制労働の使用による被害者の支援及び保護を制定し、担当職員(例;警察官)は、個人(違反者)の調査、車内検査又は強制 労働が使用されていると信じるに正当な理由のある家屋又は場所の家宅捜索を行い、警察官が 一時 的宿泊場を手配、労働大臣が、外国人である被害者を一時的に国内滞在及び就労許可を与える、並 びに検察官が法に定める被害者の権利を保護(例:侵害賠償請求)するなどといった、被害者 の支 援。
  4.  被害者が永久的に重症又重病が伴う又は死亡に至ることを含む、子供、妊婦、障害者又 は精 神薄弱者に対する違反行為などの、違反各件に適応した処罰の規定並びに法人を代表する取締役、 管理職者に、連帯責任を負わせるよう規定する。

重要法令・ルーリング全 訳・解説

最高裁判所判決要旨第 7146-7147/2559号

帳簿価額を下回る債権の譲渡は、市場価格よりも低廉な価格での譲渡となるか?

歳入法典の改正に関する緊急勅令(第19号)

仮装通貨又はデジタルトークンの保有、占有もしくは移転によって得た所得に対する個人所得税の徴 収について。

仏暦2561(2018)年免税に関して規定する 歳入法典に基づく勅令(第655号)

教育支援者に対する所得税、付加価値税、特定事業税及び印紙税の免除について。

仏暦2561(2018)年免税に関して規定する 歳入法典に基づく勅令(第656号)

    第2級観光県においてセミナーを開催した会社又は法人格を有する組合に係る所得税免税について。

仏暦2561(2018)年免税に関して規定する 歳入法典に基づく勅令(第657号)

    官民提携プロジェクトへの支援金を提供した会社又は法人格を有する組合に対する所得税免税について。

仏暦2561(2018)年免税に関して規定する 歳入法典に基づく勅令(第658号)

対象産業を営む会社又は法人格を有する組合に対する所得税免税について

仏暦2561(2018)年免税に関して規定する 歳入法典に基づく勅令(第659号)

福利厚生として託児所又は保育センターの設立費用を支出した会社又は法人格を有する組合に対する 所得税免税について。

仏暦2560(2017)年省令

関税課税価格の決定及び適用について。

歳入局ルーリング第ゴー・コー0702/2670 号

仏暦2559(2016)年勅令(第604号)に基づく所得税免税の場合の、法人所得税の取扱い について。

歳入局ルーリング第ゴー・コー0702/2672 号

歳入局命令第トー・ポー120/2545号に規定する付加価値税に対する加算税の徴収の場合の付 加価値税の取り扱い。

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